2009年04月12日
シンコワラ
漁師達はこの森をシンコワラと呼んでいる。シンコ原(トドマツ林)語源のシンコはアカエゾマツ(=ヤチシンコ)からきていると考えられるが、この場所にアカエゾマツは1本(程度、見た限り)しかない。
明治時代にアカエゾマツからトドマツに遷移した可能性は低く、樹皮がアカエゾマツのようなので喩えまたは通称として、そう呼ばれているのかも知れない。
各トドマツの径はあまり太くないがその特徴的な樹皮が、すでに鱗片状に剥離していることから樹齢はかなり高いと思われる。幹の湾曲や樹形の状態から風雪の影響をかなり受けていることが想像できるので、それが成長の遅い要因の1つと考えられる。
トドマツは山地を中心に海岸まで生える木であるが、このシンコ原のような風雪の強いところに群落をつくっているのは珍しいと考えていい。(ただし、北海道開拓時代からの伐採が進み、現存している場所が少ないということもある)。