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グリーンパワー2008年7月号

エコ・ネットワーク小川 巌氏が、
根室で開催された第8回全道フットパスの集いについて
書き下ろした記事がグリーンパワー2008年7月号に掲載されました。
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グリーンパワー2008年7月号
フットパスに魅せられて
「広大な採草地を気ままに歩く」

全道各地に続々と出来つつあるフットパスのうち、もっとも北海道らしいのは?とよく尋ねられる。まっ先に思い浮かべるのが、根室市の酪農家5人が整備したAB-MOBITのフットパスである。Aは厚床(あっとこ)、Bは別当賀(べっとが)という地名の略。根室のもっとも西側を占める典型的な酪農地帯である。MOBITは5名の酪農家のイニシャルをとったもので、Oは小笠原、Iは伊藤という具合である。このエリアでは一軒の酪農家が100ha以上の牧草地、採草地を所有している。メンバーの中心的存在である伊藤牧場は240haに達するというから半端ではない。
2000年頃から地域を元気にする方法はないか、とワークショップなどを開催する中で自分たちが所有する採草地を歩いてもらうフットパスのアイデアが生まれた。北海道ではもっとも古い部類のフットパスである。
実は5月12、13日の2日間、ここのフットパスを歩く「全道フットパスの集いin根室」が行われた。第8回目を迎えたこのイベントには、平日にもかかわらず札幌を中心に60名の参加者が集まった。
札幌の桜は咲き終えたというのに、根室のチシマザクラはまだ開花前。低気圧に伴う前線が通過中ということも合って、列車から降りた時は雪がちらつくほどであった。
1日目は放牧地を通り抜け、太平洋岸の海岸に面した約10kmの「別当賀パス」を歩いた。自然海岸を見下ろす丘陵の上からの眺めは、「英国ブリテン島南岸のホワイトクリス(白灰岩で出来た白壁の断崖)」を思わせる壮大な景観で、寒さも疲れも忘れて、みんなうっとり見とれていた。誰かが「これだったら、わざわざイギリスまで歩きに行かなくていいわね」と言って笑いをとった。周辺一体に人家は一軒もなく草原にはタンチョウの営巣地があるとのことであった。

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別当賀パス/岩壁

2日目は採草地を主体にコースが作られている「厚床パス」である。スタートして早々に広々とした採草地の中を歩くのだが、道が通ってる訳ではなく自由気ままに歩ける。それでも要所にサインが貼り付けられているのでコースを間違える心配はない。しばらく行って自然林の中に入る。数年前に歩いた時は踏み分け道状態だったが、確かな小径になっている。沢山のウォーカーが歩いている証拠とみた。
昼前に伊藤牧場に到着。併設されているレストランで昼食をとる。さしずめフットパスルートにある英国のパブといった趣である。食後は列車の到着まで1時間ばかりのウォーク。起伏のピークに立つと風蓮湖が太陽光を受けてキラキラ光っているのが見える。あいにく雲が多く知床連山、阿寒の山々は望めなかった。広大な採草地を離れると、旧国鉄当時の標津(しべつ)線の廃線跡が半分以上を占めた。厚床駅から別海町、中標津町を経て標津町に至る廃線跡は今でもかなりの部分が残存している。これをフットパスとして甦らせるプランが民間レベルで進んでいるとも聞いた。実現すれば地域の活性化、地域間の交流に寄与する好例になりそうだ。
参加者の感想を2、3拾ってみよう。「北海道に住んでいても、なかなか歩けないところに行けたのがよかった」「別の季節にもう一度来てみたい」「コースの途中にお洒落なレストランがあるなんて想像していなかった」
 皆さん、大満足だったようだ。
 尚、次回の第9回全道フットパスの集いは9月27、28日にえりも町で開かれる。根室とは異なる感動が楽しみである。

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厚床パス/採草地

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